「朝にフルーツを食べると肌が日焼けしやすくなったり、シミができやすくなる」という話を聞いたことはありませんか？
特にキウイフルーツや柑橘類などのフルーツについて、特に注意が必要と言われていますが、この話は事実なのでしょうか？
ソラレンという物質は、紫外線への感受性を高める効果を持っており、一部の野菜やフルーツに含まれています。ただし、この効果が摂取した食品からどれくらい影響を及ぼすのかについては、誤解が多いようです。
駒沢女子大学のウェブサイトに公開されている研究データによると、レモンなどに代表される「ソラレンが多い」とされていた果物・野菜の多くは、適量食べるくらいなら影響が出ないそうです。
また、メディアで「ソラレン含有量が多い」と取りざたされていたキウイフルーツに至っては、含有量を計測したデータがどこにもなかったのだとか。そこで実際に計測したところ、皮の有無を問わずソラレンは検出されなかったとのことです。
ソラレンを口から摂取した場合、日焼けに影響が出るか出ないかの境界値は10～15mg程度と言われています。これは、レモンなら可食部30kg、セロリなら1.25kg～4kg、グレープフルーツジュースでも1～5Lに相当する量です・・・
グレープフルーツのみ少し注意が必要かもしれませんが、レモンやセロリはよっぽどでない限り朝食に食べるくらいの量であれば日焼けしやすくなる、ということはないと言えますね。
ただし、一部の果物の「皮」部分にはソラレンが多く含まれています。レモンの可食部に含まれるソラレンの量は心配する必要ありませんが、「皮」の部分には多量に含まれていることがわかっています。
そのため、はちみつ漬けなどでレモンを皮ごと食べたり、皮ごとスライスしたものをパックとして使用したりした場合、量や状況によっては身体に影響が出る恐れがあるとの事です。
他に、オレンジやライムの皮部分もソラレン含有量が多いそうです。
というように、確かにソラレンによって日焼けやシミに影響する恐れがあるケースもあるため、少し注意が必要ですが、「朝にフルーツを食べるとシミができやすくなる」はほぼ間違いで、一般的にはあまり起こることではなさそうです。
それよりも、フルーツを食べてビタミンなどの栄養素を取るメリットの方が大きいですね。
