アートファンに贈るゴッホ映画「ゴッホとヘレーネの森〜クレラー・ミュラー美術館の秘宝」レビュー編

アートファンに贈るゴッホ映画「ゴッホとヘレーネの森〜クレラー・ミュラー美術館の秘宝」レビュー編

ゴッホの作品に人生を賭けた女性

世界で最も有名な画家ゴッホを題材にした映画5選を以前このブログで紹介しましたが、今回はその中から一本の映画にスポットを当て紹介します。

このドキュメンタリー映画の主人公は、オランダの富豪の夫人であったヘレーネ。彼女はゴッホの死後、人生をかけてゴッホの作品を集めました。その数は300作品近く。世界で一番ゴッホの作品を集めたコレクターです。そして、何と最終的にはゴッホを中心とする美術館までつくったという女性です。

美術館の設立が1938年ですから、世界が争いの情勢へと向っていた時代で、かなりの困難もあり、一時は、美術館設立を危ぶまれるほどの状況にもなりましたが、ゴッホの想いを世界の人々に紹介するという信念を最後まで貫いた女性でもありました。

へレーナが人生を賭けたクレラー・ミュラー美術館にある最高傑作ゴッホ《夜のカフェテラス(1888年)》

ゴッホ は、夜の風景に興味を持つ持っていました。この絵についてゴッホ は、妹へ手紙を出しており、その内容が映画の中では語られています。

「普通、画家というものは夜の風景を避けるものだ。なぜなら、色が昼間と違ってしまうから。しかし、私はどうしても夜の雰囲気を描きたかった。ただ、夜の制作は難しい。何度も失敗したよ。でも、失敗によって真実に近づいていくんだ」。

と手紙に綴っていました。単純に目に映ったものを描くのではなく、自分の心に写った情景をとらえて色をのせ自分の納得いく”夜”を求めたのでしょう。

皆さんもどこかで一度は見たことのあるとても有名な絵だと思います。残念ながらとても繊細でなかなか動かすことができないので、生で見るチャンスの少ない絵でもあります。

「ヘレーネとゴッホは筆まめ!」

ゴッホとヘレーネには共通点があります。それは、筆まめであったこと。

ゴッホは弟のテオ宛てなど37年の生涯で900通ほどの手紙を書いています。一方のヘレーネも生涯で3000通以上の手紙を書いていました。ヘレーネは手紙の中で、ゴッホの作品について、人とはなにか?進むべき道とは何か、私達や未来の人びとに感じさせてくれる作品だと語っています。

また、ゴッホと弟のテオは、二つの身体と一つの心であった言われています。それほど、精神的に近い兄弟だったのでしょう。映画では、こんな逸話が語られています・・・ヘレーネは旅行に行く時、必ずミニチュアサイズのゴッホの絵を常に持ち歩いていました。・・・ゴッホの絵を愛し、ゴッホに共感していたのです。彼女もまたテオのようにゴッホと、時間という距離を越えて心を結びつけていたのでしょう。このように、映画「ゴッホとヘレーネの森」は、ヘレーネのゴッホに対する強い想いを感じられるドキュメンタリーとなっています。

かさたびでゴッホの傘を購入した皆さんはもちろんのこと、まだ購入していない皆さんは、ヘレーネがゴッホの絵を持ち歩いたのと同じように、かさたびでアート傘を購入して、アートといつも一緒に過ごしてみてはいかがでしょうか。ゴッホやモネ、ミュシャなどいろんなアーティストの作品をモチーフにした傘がならんでいます。是非、一度、覗いてみてください。もちろん女性、男性問わずお勧めです。

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小ネタ:アートファンのご存知でしたか?「日本初のゴッホ展とヘレーネ」

ヘレーネの作ったクレラー・ミュラー美術館は、日本にとって関係のふかい美術館なのです。世界で一番有名な画家ゴッホの展覧会が開催されたのは1958年のこと。開催まで8年近くを要した大変な道のりだったそうです。このとき大半の作品を貸し出してくれたのが、ヘレーネが作ったクレラー・ミュラー美術館でした。

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 (美術検定1級アートナビゲーター持ってるスタッフより)

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