名優ウィレム・デフォー主演のアートシネマ「永遠の門」。ゴッホの探した世界とは?

名優ウィレム・デフォー主演のアートシネマ「永遠の門」。ゴッホの探した世界とは?

2019年公開の映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」主演ウィレム・デフォーのレビュー。

この映画は、第75回ヴェネチア国際映画祭最優秀男優賞受賞、アカデミー賞主演男優賞ノミネートなど名優ウィレム・デフォーの演技に注目が集まりました。加えて、みんな大好きこちらも名優マッツ・ミケルセンも後半で登場します。

ゴッホ映画には欠かせない存在の弟テオも、もちろん出てくるわけですが、そのシーンはかなり少ないなと感じました。ストレートにヴィンセントに焦点を当て、画家として何を探していたのか、何を目指していたのかということ、さらに亡くなった真相についての別説(公式には自分で腹を撃ったとなていますが)を含めた内容となっています。

 

ゴッホのドキュメンタリーとも思えるほど演技が凄い

映画は、パリで油絵の個展を開いているシーンから始まります。つまり、すでにヴィンセントが油絵をたくさん描いている年齢から始まっているわけです。これは、他のゴッホ映画とけっこう違うところです。

この個展も理解されず途中で止めさせら、フランス南部のアルルでアーティストの集りを作ろうと一人で現地へ向かいます。黄色い家を借り、野を歩き、岩だらけの丘を登り、夕暮れの光に身をゆだね画家として新しい光、自分の世界を探り続けます。

この辺のシーンが光がとても美しく捉えられていますし、主演のウィレム・デフォーをカメラが追っていくので、本物のヴィンセント・ヴァン・ゴッホ のドキュメンタリーを見ている錯覚に陥った気分となります。夕暮の光の中で孤独を戦うひとりの画家という様子がとても印象に残ります。

自由でありながら、そこには自分だけ。自分との戦い、新しい表現、未来を探しつつも、その未来に押しつぶされそうになる不安。そういう心の動きも映像で表していると考えてしまうのです。

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 生前ゴッホは全く評価されなかったのか?

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ って生前は全く評価してもらえなかったのか?というと実はそうではないのです。映画の中でも描かれているように批評家の一人が、有名な《ひまわり》など沢山の作品を見て評価しているのです。少しだけ引用しますと・・・ 

 ”芸術の偉大な伝統からどれほど遠くへ来たのか・・・描かれる肉体や物質から かくも直接的に訴えかけてくる画家はいない” 

実際の原稿はもっと長く、とても賞賛する文言が並でいます。ゴッホの晩年は評価する人も現れていたのです。

このブログを書いている私も、日本にある《ひまわり》を見たことがあります。その時感じたのは、今だにエネルギーを持っていて、まるで生きているかのような作品だったと記憶しています。

映像的に面白いなと感じたことが一つ。ところどころで画面の下側がピンぼけ気味になっている点です。ピンぼけの幅は少しずつ広くなって行きます。恐らくですが、ヴィンセントの心の苦悩が進んでいる演出なのではと感じました。

そして最後に、この映画での死の真相をゴッホ(ウィレム・デフォー)が語っています。「西部劇の格好をしていた・・・」という感じで。

全体として主演のウィレム・デフォーの一人舞台と言ってもいい作りとなっている作品です。

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 美術検定1級アートナビゲーター持ってるスタッフより

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