大阪府堺市でポスターアートの巨匠ミュシャの作品に圧倒されました!実物はとても美しかった。

大阪府堺市でポスターアートの巨匠ミュシャの作品に圧倒されました!実物はとても美しかった。

大阪府堺市の駅近くにある「堺アルフォンス・ミュシャ館」へ行ってきました。

JR堺市駅から陸橋を通って3分ほどで到着します。その名の通りミュシャの作品で構成された専門館でふたつの展示フロアーのある小さめの美術館です。

そもそもなぜ堺市にミュシャの専門館があるのか?

ミュシャ作品を集めたコレクター「カメラのドイ」(以前、全国規模でカメラチェーン店を展開していた)の創立者土居君雄さんが存命中、何度かミュシャの展覧会を開いたことからミュシャ専門の美術館をつくりたいと願うも夢かなわず、遺された夫人が新婚時代を過ごした堺市にすべてを寄贈しました。

そして堺市にミュシャ館の創設に至りました。ちなみにミュシャとはフランス語読みで故郷のチェコではムハ。

ミュシャというフランス語読みを広めたのも土居君雄さんで、そこにはフランス語読みのほうが日本人に馴染むだろうという読みがあってミュシャという名前で展覧会を開いていったそうです。

アルフォンス・ミュシャ館では、年間通して何らかの企画を通じてミュシャの作品を数多く展示しています。

ミュシャ館入り口《ジスモンダ》のガラス

ミュシャ館は作品撮影は限られた物だけだったので・・・。こちらは、展示室入口にあったもの。ミュシャ大成功のキッカケとなった作品《ジスモンド》を模したガラス細工。本物のポスターは縦2メートル超えの大きな物ですが、こちらはそこまでの大きさではありません。

エレベーターから降りた瞬間、目の前に現れるので、「お〜!」っと度胆を抜かれました。もちろん実物も展示してあります。撮影はNGだったのですけれど、私、実物は初めて目にしたので、やはりまず大きさに圧倒されました。細長いとは言え2mメートル以上の背丈はそれだけでも迫力が有ります。

そして描かれているサラ・ベルナール(に限らずです)目ヂカラが凄い。黒い縁取り線も太い所があったり、細いところがあったりと、とても劇画チックな印象を受けました。少し日本の美術の輪郭から影響うけているのかな?など考えました。

 

仕事大好き!

こちらのミュシャ館の展示では、ミュシャの人となりが良く分かる証言も解説として掲示されて有りました。例えば、ミュシャと仕事をしていた編集者は・・・

若くして成功した作家とは思えないほど純朴で控え目、気取ったところがない

あまりの良い人ぶりで拒否するということを知らないのか思うほど。それがこの先、負担にならないか心配していた

といった具合にミュシャは作品制作をすること集中していたのだろうと感じられます。その証拠にミュシャは、”自分は才能ではなく仕事を信じている。先の仕事を考えて制作する時間を注ぎこむ”と話していました。

描くだけではないのです。

ミュシャ描くだけでは無いのです。このミュシャ館にしかない世界に一つの超貴重なサラ・ベルナールが使用舞台使用したの蛇モチーフのジュエリー(もちろんミュシャのデザインですが写真撮れませんでした)や彫刻も手掛けていたんです。(実物の写真は撮れなかったのでポストカードの画像。

冠のひたいの上に付いているのがアメジスト)

 

こちらの彫刻は、《ラ・ナチュール》(1899〜1900年制作)パリ万博にあわせて制作されたもので世界には5つだけの貴重な作品。その一つがこの堺アルフォンス・ミュシャ館にあります。(実物は高さ70センチほどあります。)

ほかに珍しいものはというと・・・

《 ウミロフ・ミラー》(1903〜1904年制作)ミュシャの友人の音楽家ボザ・ウミロフの為に作られたました。

暖炉の上に設置されていたようで、縦2.7メートル、横3.4メートルほどの大きな作品です。1900年のパリ万博に関わって以降のミュシャは、自分の故郷のであるチェコへの想いを膨らませ、民族衣装を描いたりやスラブ民族という意識を投影した油絵に描き、ポスター作家時代とは変化(というかこちらが本当のミュシャ)していきました。

堺アルフォンス・ミュシャ館は、パリでのポスター作家時代の大成功からスラブ民族として自分の心の深くにある想いを描き出すまでを追体験しながら、ミュシャという作家がどういう作品を描きながらアーティスト人生を歩んだかを知ることが出来る場所です。

専門館ですから他の美術館では見ることの出来ない作品が多く展示されているのがやはり一番の見所。

いかがでしたか?ブログを書いているわたくしも、まさかこれほど充実した作品群が展示されているとは思ってもいませんでした。

皆様ぜひ、かさたびでミュシャのアート傘を購入して、こちらの堺アルフォンス・ミュシャ館へも行ってみてくださいね。

(追記 堺アルフォンスミュシャ館では2023年12月2日から企画展「ミュシャとパリの画塾」を開催します。知られざるミュシャの絵画教師時代の作品や逸話、その画塾で習っていた日本人の洋画家の作品も展示予定です。明治時代から日本人との交流のあったことがわかりますよね。)

美術検定一級アートナビゲーター持ってるスタッフより)

堺アルフォンス・ミュシャ館のウェブサイト

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